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預金の相続手続きを効率化する方法

預金の相続手続きを効率化する方法

相続税申告の際には相続手続きをサポートすることがあります。預金関係や株式など残高証明書の取得から解約書類の収集など事務的なことで必要なことはたくさんあります。

相続人の方にやっていただくのがスムーズではありますが高齢だったり日中は仕事だったりで難しいケースもあるためご要望があればこちらでサポートしています。

金融機関の件数が多ければ多いほど手間はその分かかるため、生前に整理しておくこともおすすめです。預金の相続手続きを効率化する方法としていくつかご紹介します。

目次

法定相続情報一覧図を作っておく

通常、相続があった場合には相続人の確認からスタートします。

この相続人のスタートは日本においては戸籍によって行われることになるため、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍の収集が必要です。

そして相続人の方との関係がわかればひとまずそれでOKですが、相続人の方にも戸籍を取得しておいたもらう必要があり、戸籍だけでも結構な件数になります。

この場合、金融機関で何かしら手続き(残高証明書の取得や預金口座等の解約)の際には戸籍の提出が求められるわけです。

金融機関側でも相続人に漏れがないかどうかなどを必ずチェックします。

この手続きに戸籍がたくさん必要になることもあるため、法定相続情報一覧図という書類を準備しておくことがおすすめです。

戸籍一式と住民票等の必要な書類、親族図を作成して所轄の法務局に提出し不備がなければその親族図を法定相続人等の情報が入ったものとして公証してもらえます。

ようは親族図に間違いがないですよというお墨付きをもらうような形ですね。

制度発足時には認知度が低かったこともあって金融機関側でも対応していないところが見受けられましたが、いまでは法定相続情報一覧図による手続きを推奨しているところのほうが多いです。

実際、戸籍をひとつずつ確認する手間や間違いがないかの確認には時間を要しますし、法務局で確認してもらっているなら基本的に間違いがないだろうと言えますから、とても手続き上も簡便になります。

書類の枚数としても親族がかなり多いということでもなければ基本的にA4一枚で法定相続情報一覧図が作成できますので、戸籍の束を処理することを考えると便利ですし見落としなどのリスクも軽減されます。

金融機関によっては原本を提出してそのままになるケースもあるため、法定相続情報一覧図を取得する際には金融機関の数+予備のぶんは請求しておきましょう。

ちなみにですが追加で必要になったときには改めて交付してもらうことができますのでその点は安心してください。

預金口座を生前に整理しておく

預金の相続手続きを効率化したいということであればやはり件数が少ないのが最も手間と労力を減らします。

5件の場合と10件の場合ではやはりかかる時間も違ってきますので可能であれば生前に整理しておくのがおすすめです。

預金口座も増えてくるとどれか使ってないものがあるはずです。

そういう口座でもちょっとでもお金が残っていれば残高証明書を取ってもらうこともありますし、解約にも預金口座のお金の多い少ないで手間はかわりません。

事前に整理してまとめておくことを提案すると、ペイオフの心配をされるケースがあります。

たしかに預金1,000万円までが保護の対象になりますのでその範囲に納めようと思うと多額に預金を持っている場合には分散させることになります。

もしどうしても気になるということであれば、利息の付かない普通預金は全額保護対象となりますので検討してみてください。

ペイオフの制度が開始してからはペイオフが実際に発動したのは2010年で、日本振興銀行の破綻に伴う処理のなかで発動しました。

そのリスクをどこまで考えるかはご本人次第ですが発動するのはかなりレアケースともいえるでしょう。

破綻のリスクがかなり低いと思われる大手の都市銀行に預金を集めておくというのも選択肢です。

高齢の方になってくるとペイオフのリスクよりも特殊詐欺の被害にあうリスクのほうが高い可能性もありますので、預金の管理は今一度チェックして口座を整理できないか検討してみてください。

解約後の集約口座を準備しておく

解約をしたらどこかの口座に亡くなった方の預金口座から振込をしてもらうことになります。

このどこかの口座をバラバラにしていると結構手続き上も面倒ですし、金融機関の多くがひとつの口座への振り込みというケースが多いです。

A銀行からの解約預金はXさんに、B銀行からの解約預金はYさんに、とすると面倒ですしA銀行からXさんとYさんに振り込むのが難しいケースもあります。

そのため、解約した預金を集約しておく遺産整理口のような口座をひとつ代表で手続きするかたで持っておくと便利です。

全てそこに集約しておいて、いくら相続するというのがわかっていたらその金額をあらためて相続人の口座に振り込むようにしておきます。

こうするとどの口座にいくらは入っていていくら振り込まないといけないというのが整理されて分かりやすくなります。

遺言執行を金融機関が行う時には遺産整理口として講座を準備していますがそれに近い形でやっておくと分かりやすいです。

これは必ずではないですがあとでやっておいてよかったなと感じてもらえることが多いので、もし可能であれば遺産整理口の口座として一つ準備しておきましょう。

まとめ

預金口座は金融機関の数が増えれば増えるほど手続きの時間を要します。というのも、いまは金融機関はどこも窓口は予約システムをいれており、同じタイミングで複数行を回るということの難易度が上がっている感はあります。

必ずやらないといけないということではないのですが、やっておくと後で良かったなと思ってもらえることのひとつですので取り組んでみてください。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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