法人税計算上の利益と会計上の利益は少し違います。法人税の申告書では会計上の利益に調整をしたうえで税金計算をするのですが意外とここでつまづくケースがありますので整理しておきます。
会計上の利益→法人税計算上の利益
会計上の利益だけですべてが済めばもちろん簡単ですが法人税を計算するときにはいわゆる決算書上の利益に調整が入ります。
会計上は収益や経費でも法人税計算上は収益としない、経費としない、という項目があるためです。
そのため、決算書上の利益の金額に法人税の計算をするうえで加算調整、減算調整という処理を加えます。
ざっくりとしたイメージでよいのですが、加算調整は会計上は経費にしたけど税金計算上は経費にしない項目(損金不算入といったりします)で、減算調整は会計上は収益にしたけど税金計算上は収益にしない項目(益金不算入といったりします)です。
会計上は収益・損失(経費)と表現しますが税金計算上は益金・損金と表現することが多いです。
どういう処理をしているのか会計上の話なのか、税金上の話なのかがわかるようにするためだと考えられます。
なので会計の話をしているのに損金で落とすという表現をされると違和感があったりします。(私だけかもしれませんが)
少し数字を使って説明をしてみましょう。
会計上の利益が300とします。ここに税金計算上の調整を加えていきます。
加算調整が100、減算調整が50の場合、300+100-50=350が法人税計算上の利益となりこれに税率を乗じて計算する形です。
仮に税金の金額が150と計算できるとこれで計算自体は完了です。この金額を法人税等の金額として未払い計上します。納税充当金などと呼ばれますが、ここでつまづくことがあります。
法人税の金額を利益から引く形で表示すると税金計算の金額が変わるのでは?と。
税金の金額がループする?
先ほどの例で会計上の利益300、税金の金額150となりました。いわゆる税引後の会計上の利益は150です。
ここでつまづくのはある意味正しくて、会計上の利益150が税金計算上のスタートになるのでは?と。
そうなると税金の計算をするときの法人税計算上の利益が150+100-50=200となってしまうのではないかと気になります。
このまま税金の計算をすると200に対して税率を乗じるわけですので最初の税金計算と異なる結果となってしまいます。
最初に計算した150に税金計算をするためには税金計算上の調整が必要です。
法人税として納める金額は経費にならないので加算調整項目となり、納める税金の分を加算調整することで税金計算がループしないようにします。(法人事業税等は減算調整項目ですがややこしくなるため今回は割愛します)
税引後利益150からスタートすると150+150(税金分の加算調整)+100-50=350と計算できます。
流れとしては
- 法人税の金額をまずは計上しない形で法人税計算(税引前利益)
- 法人税の計算ができたら未払計上(税引後利益)
- 税引後利益に法人税の加算調整を追加して再度法人税の計算
- 法人税の金額に調整前後で差異がなければ調整項目については計算ができている
となります。
最後のところで調整前後で差異がなければと書きましたが、反対に調整前後で法人税の金額に違いがある場合にはどこかが間違っています。いわゆるループしている状態ですね。なので見直しをすることになります。
まとめ
法人税計算上の利益金額を計算するために会計上の利益に加算調整、減算調整をするということをお伝えしました。
税金計算がループしないようにうまくできています。
法人税の計算はこの利益金額の調整と税金控除等の計算をするのが目的といっても良いぐらいです。頭の片隅に置いておくと決算書や法人税申告書の見え方が少し変わってきます。