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相続税の納税資金がない場合の対応策

相続税の納税資金がない場合の対応策

相続税が支払えるかどうかから相続税対策を組み立てていくことをお勧めしています。その理由をいくつかピックアップします。

目次

相続税が払えそうかまずはチェック

相続税が高い、相続を3回経ると財産がなくなる、と言われることがあります。

そういう場合にはまず現実問題としてどれくらいの相続税になりそうかを試算してみることをお勧めしています。

確かに相続財産の中に不動産の割合が大きいと相続税の支払いが困難なケースがあります。

相続税は金銭一時納付といって、原則が相続税申告期限までに金銭で納付することがルールです。

特例として延納といって分割支払いができたり、物納といって相続財産で納める、という形をとることができます。

ただしあくまで金銭で一括納付できない場合で、この場合の金銭には亡くなった方の遺産と相続人の方がもともと持っている財産の中の金銭を含みます。

どうやっても金銭で払えないことを計算して示したうえで延納や物納へと進むわけです。

この延納や物納はかなり手間と費用がかかりますのでおすすめはしません。

金銭で納付ができる現預金などがあればそれで納付するのがやはり一番シンプルです。財産の分け方への影響もないですし。

そのため、まずは現在位置としてどれくらいの相続税を支払うことになりそうか、という部分からスタートしておくことを提案しています。

実際に試算をしてみると、これぐらいなら死亡保険金があるので全然払えます、みたいなことになるケースも多いです。

贈与するにしてもほかの対策をするにしても、相続税への影響とは切っても切り離せませんのでまずは税金の試算から始めてみましょう。

意外とこれぐらいで済むなら安心した、とおっしゃっていただくことは相談対応をしていてもあります。

相続税が現預金で支払えなさそうな場合

相続税の試算をして、遺産のなかに占める不動産の割合が高い場合などは相続税の支払いが困難そうだとなることはあります。

この場合、納税資金の対策をしていくことになりますが、遺産のなかで処分できるものがあれば処分しておくことは有効です。

例えば不動産でもいまは貸しに出せているが売却の話が来ているとしましょう。

物納で賃貸不動産を納めるというのはかなりハードルが高く時間も費用も要します。また相続人の方が相続してから売却する、ということをおっしゃるケースもありますがおすすめしません。

というのも不動産もそうですし有価証券もなのですが、ご自身が想定している値段とタイミングで必ずしも売却できないということが頻繁に発生します。

そうなると売却に伴う譲渡所得については所得税がかかりますし、納税するまでの資金が捻出できなかった、となるケースをたくさん見てきました。

また賃貸不動産経営や有価証券に興味が全くない、という相続人の方もいて、結局すべて手放した、ということもあります。

良かれと思ってということで財産を遺されるのですが、自分が活用しきれない財産を相続することの精神的な負担は意外なほど大きいです。

それであれば不動産や有価証券ではなく多少所得税などを支払いで目減りしていたとしても、現預金で相続したほうが後々助かる、ということが往々にして見聞きするのです。

相続税対策を否定しているわけではないですが、過剰にやりすぎてしまうと遺産分割協議で押し付け合いになってまとまる話もまとまらなくなります。

こうして相続税対策を無理して推し進めた結果、揉め事のタネも一緒についてきてしまったなんてことになったら元も子もありません。

亡くなった後に納税資金が遺産から出せないということが判明した場合には、相続後の財産処分(遺産分割協議を早めにする、遺言なら登記手続き等を済ませる必要あり)をすすめる、相続人の財産から支払えないか確認する、場合によっては担保に入れれる不動産があれば担保に入れて融資を受ける、そのうえで延納や物納の検討をしていくことになります。

申告以外の相続手続きのスケジュールにも大きく影響しますので事前にチェックしておくのがやはり安心です。

まとめ

延納や物納も選択肢に入れつつ、生前の財産処分も積極的に検討しておきましょう。

売りたいときに売りたい価格で売れない、所得税などで手取りが減る、そういうことも考慮に入れて対策しておくのが望ましいです。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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