個人で仮想通貨の取引をしている場合には確定申告が必要なケースが多いです。購入だけなら必要ありませんが、売ったり交換したりして利益が出ていると申告を検討します。
どういった資料や情報が必要になるか整理しておきます。
仮想通貨取引の情報
仮想通貨そのものを購入してそれが値上がりしているだけでは利益は確定されていませんのでまだ未実現の状態です。
購入した仮想通貨を売却した場合には利益もしくは損失がでますので、そこで申告が必要かどうかの判断になります。
また、購入した仮想通貨を交換した場合は、いったん売って、別の仮想通貨を買った、という処理になります。
ビットコインとイーサリアムを交換した場合には、ビットコインを売却してイーサリアムを改めて購入した、という流れです。
そのため、売買については意識している方が多いのですが交換取引をしている場合にも売買していることになりますから申告が必要なケースがあります。
利益を把握するためには、購入していた仮想通貨の原価、取得価額と売却したときの仮想通貨の価額が必要です。
そのため、仮想通貨の購入の情報と、売却の情報のいずれもを準備しておくことになります。
数年前に購入した仮想通貨を持ち越してきて価格の上下動があったとしても購入したときの価額は変わりません。
売却のときは直近のことが多いでしょうから価格の把握はしやすいですが、購入は数年前などのケースがあるため情報収集がより重要になってきます。
国内の取引所であれば、問い合わせをしたりアカウントのマイページから情報を取得できます。
国外の取引所であっても以下の情報が欲しいとお願いすれば比較的スムーズに仮想通貨の取引情報を取得できますのであきらめずにアプローチ・問い合わせをしましょう。
先日は海外取引所のバイビットで取引している方に以下のように問い合わせてもらいました。
バイビットのサポート宛に
- アカウントの情報
- 通貨:すべて
- データ範囲:2022年1月1日~2022年12月31日
- 内容:資産履歴、取引履歴、出金履歴
- ファイル形式:CSVなど
こういった形で連絡してもらい、数日でデータを含めた返事がきました。
日本語でのチャットサポートやメールサポートをしている取引所も多いので可能な限りの情報をまずは集めることです。
逆にいうと取引情報が集まれば申告は何とかなることが多いです。あとは納税の問題ですね。
ちなみに、納税のために仮想通貨を売却した場合にはその売却取引についても利益が出ている可能性がありますので、その場合には翌年にもう一度申告が必要になります。
もし仮想通貨のままお持ちであれば納税資金の確保も気にかけておきましょう。
ご自身の別の所得の情報
仮想通貨の売買・交換による利益は雑所得という区分で計算をします。
もしお勤めの場合には給与があるでしょうからその給与所得の情報として源泉徴収票が必要です。
複数年にわたる場合には該当するその年分の源泉徴収票が必要になってきますので、お手元になければ勤め先に再発行してもらうようにしましょう。
事業所得がある場合には確定申告をしているはずですからその確定申告の資料を準備してもらいます。
仮想通貨のぶんを申告せずにほかの所得に関して申告をしている場合には修正申告という形をとることになります。
この場合は税務署から調査があったり申告の勧奨がある前に自主的に申告をすることをおすすめしています。
自主的に修正申告をした場合には、本来は期限までの納めなければいけなかった税金を納めていなかったことなどに対するペナルティの税金が優遇されます。
気が付いた時点で早めに動き始めたほうがよいでしょう。
仮想通貨以外にご自身に収入がある場合には合わせて申告をすることになりますので、その情報も可能な限り収集していきます。
まとめ
まずはなによりも仮想通貨の取引(購入、売却、交換)の情報を収集することが優先事項です。これらがあれば申告まで何とかこぎつけることが多いですし、これらの情報がないと申告まで苦労することになります。
ご自身の別の所得と合わせて仮想通貨取引の情報収集にまずは取り組みましょう。そのうえでご自身で申告が難しければ税理士への相談という流れで考えておいたほうがよいです。