勘定科目の使い方や項目をどう設定してよいものか、と悩んでいる経理担当者のかたは意外と多いです。
お客様からも聞かれることですが、事由に設定できるぶん上手に設定しておきたいところですよね。
勘定科目の上手な使い方について考えてみましょう。
車両費、旅費交通費は分ける?
車両費、旅費交通費は分ける?
よくあるご相談として車両費と旅費交通費は分けたほうがいいですか?というお話があります。
車両費も旅費交通費もパッと見た感じだと同じ項目ですし、分けても分けなくてもよいわけです。
分けないといけないというルールはありません。
ただ、車の使用頻度が多い場合など後で見返すときに分けておいた方が分かりやすいという面はあります。
社用車がある場合には車にかかった費用を別で把握しておきたいというニーズはありますので、この場合は車両費という区分を設けておくことで解決します。
車両費にいれる項目としては以下のようなものがメジャーです。
- 駐車場代
- ガソリン代
- 高速道路の利用料
- 車両修理代
- 車検費用
- 車両の保険料
などです。
では旅費交通費はどういう項目が入るかというと
- 従業員の通勤費
- 出張等の旅費
- 公共交通機関の利用料
項目として分けても良いですし勘定科目の中で分類することもできます。
勘定科目だけではなく補助科目を使う
項目で類似しているものがある、前述の車両費や旅費交通費といったぐあいにちょうどよさそうなものがあればよいですがない場合も結構あります。
勘定科目を増やすことは会計ソフトの仕様上可能ですが、あまりにも増えすぎるとそれはそれで煩雑です。
なので勘定科目の一つ下に補助科目を設定しておく方法がよいでしょう。
売掛金などの資産科目には取引先コードを設定していることがありますが、それと似たような形です。
別に経費の勘定科目に補助科目を設定してはいけない理由はないですから中身で分類できていれば問題はありません。
例えば支払手数料の項目でも多岐にわたりますので支払漏れがないかどうかのチェックもかねて分類しておくとよいです。
例えば私だと以下のように分けています
支払手数料
―会計ソフトの保守料
―メールマガジン発行のためのシステム料
―財産評価ソフトの利用料
―電話代行の利用料
―コンサルティングの費用
といった形で取引先ごとに補助科目を設定しています。
補助科目を設定していない支払先についてはその他にまとめて計上しています。
この補助科目で分類しておくことの効果は後で見返した時のチェックがしやすいということです。
補助科目を設定しておくと補助科目元帳を見ることができますので毎月の支払があるのであれば支払漏れがないかどうか。
チェックの時に重要性が増してくるのが消費税区分のチェックです。インボイス制度が始まるとより分類できていることでのチェックのしやすさが変わってきます。
インボイスを見据えた対応も
入力するだけならどんな勘定科目でも利益計算上の問題はありませんが、後で見返したときや銀行など関係者が決算書をみたときに困ることはあります。
また入力だけではなくチェックも見越して勘定科目や補助科目を設定しておくことも経理担当者として一歩進んだ対応です。
これからインボイス制度が始まるわけですが、消費税区分が単純に倍になるわけです。
インボイス有り無しを経理の方は確認していく必要があるわけですが、補助科目でインボイスなしを作っておくと後でチェックするときに少し便利になります。
インボイス制度が始まることに合わせて補助科目の導入や見直しも、もしよければトライしてみてください。
まとめ
勘定科目そのものは自由に設定できますが自分のところでルールを決めておくと運用しやすくなります。
インボイス制度が始まった後は入力やデータ連携したあとのチェックをする機会が増えるはずです。
チェックしやすいような工夫を経理側で考えてみましょう。分類できている状態というのは後工程(この場合はチェック)のときにポイントが高いですからそこを意識してみてください。