漫画家・同人作家の方の売上区分はどのように分けたらいいか分からないとご相談いただくことがあります。
原稿料・印税など源泉徴収されるものと、そうじゃないもの、取引先とで分けておくのがオススメです。
売上の種類で区分
売上の種類でまずは分類できないか考えてみましょう。
出版社からの売上は原稿料などとなっているはずですから、基本的には源泉徴収されているはずです。
この場合には平均課税の適用ができないか検討したいので、原稿料等とそれ以外の売上は分けたいところです。
平均課税はざっくりというと原稿料等の売上は波が激しいのでそれを緩やかにするための措置で、いわゆる物販などには適用されません。
つまり平均課税のために分けておく必要があります。
原稿料等とそれ以外の売上に分ける、というのがまず第一の分岐ポイントです。
ちなみに漫画家・同人作家で原稿料以外の収入ってそんなにあるの?と思うかもしれませんが、印刷物を納めるタイプの仕事だと原稿料収入ではないです。
例えばとらのあなやメロンブックスなどに印刷した作品を納めるときは、原稿料の収入ではなくいわゆる小売りに近いです。
原稿を納めているのではなく、成果物を印刷発注にかけて納めて売ってもらっているわけですので。
他にはコミケなどで自分で印刷した作品やそれに付随したグッズなどを販売するときも同様です。
成果物なのかこれから印刷やオンラインで販売されるものなのかで違ってきます。
取引先で区分
売上の種類で区分したら今度はそれに紐づけて取引先で分類できないかチェックしてみましょう。
原稿料売上、印刷物売上、その他売上、みたいな形で3種類に分けておくとして、そこからさらに枝分かれします。
原稿料売上ー甲出版社
ー乙出版社
―丙出版社
といった分け方です。
このように分けておくのは、確定申告の時に売上の内訳を記載しやすくするためと、支払調書がある場合には突合しやすくするためです。
またときどきですが原稿料売上と印刷物等の売上が同じ取引先から発生していることがあります。
この場合には印刷物売上も取引先で紐づけしておくことで分類がしやすくなります。
税理士に依頼をしているときにはこの辺りの分類は税理士にもよるのですが、ご自身でやるときにはどうせ入力等するなら分類はしておくに越したことはありません。
決算から確定申告に向けての下ごしらえのようなものです。
原稿料売上しかない、印刷物等の売上しかない、という場合には売上の種類を分けることは必要ないですが、取引先では分けておいた方がいいです。
というのも前述のように確定申告時に取引先と金額を記載する箇所があるので、紐づけていないと後で確認するのが手間になります。
まとめ
売上をどう分類するかはルールがあるわけではないので自由ですが、最初のひと手間があとで効いてきます。
確定申告や決算のときに手間をかけるのか、入力等するときにひと手間かけるのか。
決算の時に手間をかけると、思い出す時間などがあって時間が余計にかかるというのが私の考えですので、下ごしらえを意識して取り組んでみましょう。