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相続税申告にあたって通帳でお金の出入りを確認する理由

相続税申告にあたって通帳でお金の出入りを確認する理由

相続税申告をご依頼いただいた際には手元に残っている亡くなったかたの名義の預金通帳をお預かりします。

お預かりして何を確認しているのか、確認する理由とともにお伝えします。

目次

過去の通帳から推し量りたいこと

亡くなった方の過去の通帳を確認している理由としてはお金の移動を追いかける必要があるからです。

資金移動と言ったりしますが多額の金額が通帳から出たり入ったりしている場合には以下のようなことを考えます。

  • 誰かに贈与していないか?
  • 贈与しているならだれに?
  • 何かに使っていないか?
  • 使ったのであれば何に?
  • 買ったものは亡くなった時点では残っている?
  • 残っているなら相続税の課税対象では?

こういう思考過程で税理士側としてはチェックをしていきます。

贈与であれば生前贈与加算といって亡くなったかたの相続や遺贈で財産を取得している場合には、その贈与された金銭は申告上は相続財産に足し戻して計算をします。

亡くなってから3年以内ですがこちらは改正が入るかもしれません。

詳しくはこちら

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このため贈与している相手が誰か?というのも確認事項になります。

贈与契約書、贈与税申告なども合わせて確認します。

もし贈与税を支払っているなら贈与税額控除という措置で相続税から差し引くことができます。(還付にはなりません、最小でゼロになるだけです)

何かに使っていないか?というのも大事な視点です。

何かに使っているかモノになっていないか、というのはそのあとのチェック事項としても大事です。

モノであるなら相続財産かも?という想像を働かせる必要があります。

相続税申告で大事なことのひとつが「財産を漏れなく計上する」ということ。

そのため支出は特に通帳から把握して追いかけていく必要があります。

最近だとロレックスなどの時計を購入していたケースや一時期は海外製の金貨を購入して手元に置いていたケースなどがあります。

さらに家の修繕であればどのような内容だったのか、建物の評価額に反映させることも検討したいところです。

サービスの対価で費消していることもあるでしょう。

例えばコロナ禍以前だとクルーズ旅行で数百万円以上の支出があった、ということも見かけたことがあります。

それはそれで全然良いのです。支出先が把握しやすいですし旅行の写真などを念のため保管しておいてもらいます。(税務調査時にクルーズ旅行に行ってたことがより分かりやすく明示できます)

では、もし引き出したお金がどこに行ったか分からない、という場合はどうすればよいでしょうか。

引き出したお金の行き先がわからない場合

引き出したお金の行き先が分からない場合なんてあるのか?と思うかもしれませんが意外とあるものです。

同居していない親御さんや祖父母の通帳をまじまじと眺める機会などそう多くはないでしょう。

遠方になればなるほど、お元気であればあるほど、ご本人に任せているケースが圧倒的です。

そうなるとご家族の方が通帳の中身を見て支出を把握しても行き先がどうしてもわからない、ということはでてきます。

その際には家の中にお金が残っていないか?(いわゆるタンス預金など)は必ず確認をしていただきます。

そのうえでもし家には現金が置いてなかった、また贈与もなかったということであればどこに行ったかは不明、わからないわけです。

ご本人にしかわからないことでもあります。税務署もそれは同じです。家の中になくて贈与じゃない、何かを買ったわけでもないとなると追跡するのは困難です。

申告書を提出した後は税務署側でも同じように通帳の資金移動を確認します。税務署は場合によっては亡くなったかただけではなく相続人の方の預金の動きも把握してきますので贈与があればすぐに判明します。

税務署ももちろん預金の動きチェックしていること、より広く、ということはアタマの片隅に置いてきましょう。

調べつくしてもしわからなければ、資金使途はわからないと正直に伝えていただいて構いません。

まとめ

過去のお通帳の確認をさせていただく理由などをお伝えしました。

その都度でお声がけさせていただいておりますが思わず相続税の課税対象財産が見つかることもままありますし、遠方だとわからないことも多いでしょうから、そのあたりはケースバイケースで柔軟に対応していくほかありません。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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