お金が増えているのか減っているのか分からない、というフリーランスのかたがいらっしゃると資金繰りの確認をしてみましょう、とお伝えしています。
資金繰りと書くと堅苦しく見えますが要はお金の出入りを補足することです。
資金繰りで抜けがちな部分 自分の生活費
フリーランスのかたは自分宛てに給料を出すことができません。法人ですと自分の会社から自分宛てに役員報酬を出せます。
その分、フリーランスのかたはお金の使い方に制約が少ないです。
会社を設立するとそこから出るお給料の中で自分の生活のやりくりをすることになります。
会社のお金は会社のものですので役員が私的なことに使うと会社から見ると役員にお金を貸している状態で、役員貸付金となったりします。
これがない分、個人事業主は稼いだお金を自分の好きに使いやすいのです。
反対に、稼ぎ・利益の中で生活をする、ということになります。
住宅ローンの際に見られるポイントを相談されることがあるのですが、フリーランスのかたですと合計所得金額(青色申告している場合には青色申告特別控除額をプラスした金額)が目安になります。
その金額で生活をしている、ということを意味しているからです。
住宅ローンだとそこの金額が返済原資とみなされますので、その金額に応じた融資審査となり、少ないと当然借りられる金額も少なくなります。
フリーランスのかたから利益の金額と資金繰りがどうも合わない、と言われたときには「生活費は織り込んでますか?」ということをお伺いしています。
生活費の分を考慮しているかしていないかで全く見え方が変わります。
損益ではなくお金の出入りをチェック
自分が思っていたよりお金が残っていない、というのはよくあることですが原因はシンプルです。
受け取ったお金が少ないか、出ていったお金が多いか、そのどちらかです。
損益の計算とは別にお金の出入りを単純にチェックをしてみるとよいです。
現金の売上からそのまま仕入れや経費の支払いをしていませんか?調べてみるとよくあるものです。
生活費としての引き出しもそうですし、何を買ったか、よくわからないけどお金を引き出したというものをなくしましょう。
事業をベースにして、お金の入金がいつどのタイミングなのか、現金売上なのか掛売上なのか、クレジットカード売上なのか、キャッシュレス決済売上なのか。
それぞれ入金のタイミング、手元にお金が入ってくるタイミングが違うはずです。一緒くたに考えてしまうとズレが生じます。
支払も同じく補足してみましょう。
現金払い、掛払い、振込、カード払い、いろいろな支払方法があります。
もっと手軽にお金が増えているかを確認する簡単な方法があります。
月末でお金が増えているか減っているか
業務用の通帳がある場合にはその業務用の通帳の毎月末の残高を見てみましょう。
簡単です。お金が増えているか減っているか一目瞭然ですから。
業務用の通帳がない、という場合にはプライベートの通帳も含めて並べてみましょう。
A銀行、B銀行、C銀行あるなら全部です。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | |
A銀行 | 100 | 150 | 200 | 100 | 120 | 100 | 80 |
B銀行 | 80 | 60 | 50 | 100 | 50 | 80 | 50 |
C銀行 | 20 | 40 | 60 | 80 | 100 | 120 | 140 |
合計 | 200 | 250 | 310 | 280 | 270 | 300 | 270 |
その金融機関の月末残高をこんな風に集計してみます。グラフにしてもいいですが足し算ですから見ればわかるはずです。
C銀行だけみていると増えているように一見すると見えますが、トータルではどうでしょうか。思っているより増えていますかそれとも想定の範囲内ですか?
お金が増えているならよいですが減っているならなんで減っているかは確認しておいた方がいいです。
まとめ
お金が増えているか減っているかはシンプルですがとても大事な指標です。
事業を続けられなくなることにもいろんな要因があります。健康問題などもそうですが、一番はお金が減っていって続けられない、ということです。
お金が増えているか減っているかは定期的にチェックしておきましょう。