事業に関係にある人とコミュニケーションを取っていると何かしっくりこないな、ということがあります。
利益という言葉一つとってもいろんな利益があり、それぞれが想定しているものが違うとコミュニケーションにギャップが生まれてしまうものです。
認識を揃えておくことが大事です。
利益と一言で言っても
利益と一言で表現してもいろんな利益があります。
売上総利益(粗利益)、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、税引後当期純利益など損益計算書上でもこれだけあります。
さらに、限界利益という指標もあったりしますので「利益」というものだけでは分からないものです。
売上
マイナス製造原価=売上総利益(粗利益)
売上総利益
マイナス販売費及び一般管理費(販管費)=営業利益
営業利益
プラスマイナス経常損益=経常利益
経常利益
プラスマイナス特別損益=税引前当期純利益
税引前当期純利益
マイナス法人税等=税引後当期純利益
という大枠の流れです。
限界利益は管理会計上の利益指標で固定費を回収できる金額を指します。
売上高マイナス変動費=限界利益となります。
損益分岐点は損益がプラマイゼロになるポイントを指していてこちらも管理会計上の指標の一つです。
損益分岐点=固定費 /(1-変動費/売上高)として計算できます。
認識を揃える重要性
お互いにどの「利益」について話をしているかをすり合わせしていないと、今後のアクションに対しても影響がでます。
またなにより話が噛み合わないことも考えられます。
売上総利益のことを考えたい工場長、仕入れ担当者と営業利益のことを考えたい営業担当では見ている世界が少し変わってきます。
どちらが上ということではなく高い建物のどこからどの方向を見ているか。
進むべき方向を決めるためには同じ高さで同じ方向を見ているほうがよいでしょう。そのうえで自分がやるべきことが何なのか、どう改善すればいいかを考えていく。
経営者であれば最終的な利益金額はいくらになるか、気にしたいところでしょう。金額そのものを使うこともよいですがときどき、割合で見てみるのもおすすめです。
数字そのもので営業利益が1,000万円だとします。どれくらいの規模の会社で営業利益が1,000万円なのかによって大きく印象が変わってきます。
売上が1億円の事業であれば営業利益率は10%ですが、売上が5,000万円の事業で営業利益が1,000万円なら営業利益率は20%です。
金額そのものももちろん大事ですが、より平準化してみるためには割合に落とし込んでみましょう。
まとめ
コミュニケーションをする際にはどれについて具体的に話をしているのかはすり合わせしておいた方がいいです。
特に「利益」についてはいろんな利益がたくさんありますしご本人がいろんな利益があることを知らない、という可能性もあります。
良いコミュニケーションの下準備としてとらえていただければと。