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相続税申告のヒアリング 現預金の管理者は誰でしたか?

現預金の管理者は誰?

相続税申告の際のヒアリングに現預金の管理者は誰でしたか?という項目を設けています。

その点を重視している理由を解説します。

目次

現預金の管理者はいろいろ

現預金の管理者と聞くと仰々しく感じるかもしれませんが、要はおカネの管理を誰がしていたか、ということ。

ご本人のケースももちろんありますがそうではない場合も意外と多いです。

配偶者
子ども
上記以外の親族
第三者
の4つに分けられます。

現預金を元からご本人が管理していないケースもありますが、途中でやむなく親族等が担当することもあります。

体調不良や外出が困難になったりしたら誰かに託さざるを得ません。

信託銀行で信託預金として預入するケース、管理する人を指定して引き出せるようにしているケースもあるようですがまだまだ少ないです。

現実的には預金口座の通帳とキャッシュカードを預かってご本人の指示のもとに引き出したり振り込んだりということが多いです。

配偶者や子どもは分かりやすいですが、上記以外の親族というと例えば配偶者も子もなく甥姪が生活のサポートをしてくれていたというケースも最近は見受けられます。

第三者というのは例えば介護施設に入所している場合には施設側で立て替えて賃料等とともに請求をしたりということも散見されます。(認知症が進んでくると現金を盗られたとおっしゃるケースがあるそうでトラブル回避のためにそういった対応をすることもあるそうです)

またご近所のいわゆる気の良い人なんかがご本人の代わりに銀行に行って引き出していた、ということも実際に見聞きしたりしました。

現預金の管理はこちらが思うよりもご本人以外が担っていることが実際例としてはあり、
管理状況などの確認は相続税申告において重要度が高いです。

相続財産に該当するものをもれなく

相続財産に該当するものがないかを確認することは相続税申告で財産をもれなく計上するために必要です。

ですので出入りを把握している人に確認をする、というのは必ず行います。

ご本人が亡くなる直前まで管理している場合には通帳を細かく確認しますし、ご本人以外が担っている場合には通帳とヒアリングを重ねます。

計上すべき財産に漏れがないようにする、というのは言葉では簡単ですが難しい部分もあります。

また、相続人のうちのおひとりが財産管理をしていたということですと、ほかの相続人との折り合いが悪い場合には揉め事の種にもなり得ます。

例えば第三者が財産管理をする際にはいくら引き出して何に使ったか、ということを細かく管理するはずです。

それは使い込みであったり本人のための費消ではないと言われる可能性は排除するためでリスク管理のひとつでもあります。

親族間であってもほかの相続人に対して財産を使い込んでいると主張するケースはままありますし、疑われるようなことはしたくないと考える方もいらっしゃいます。

もしそういうことが心配であればきちんと記録を付けること、また通帳には何に使ったか、特に高額出金、生活費以外の出金であれば内容をメモしておくだけでも違います。

レシートや領収書なども、もし財産を管理することになったら整理保管しておくことが望ましいです。

仮に財産管理をしている人が立替えをするのであればそれは財産管理をお願いしている人からすると自分が払うべきものを自分以外が払っていますので、自分が払うものになります。つまり債務です。

こういったことへの対応も可能ですのできちんと整理して、計上すべきものを漏らさないようにしましょう。

タンス預金が発生する理由

いわゆるタンス預金が発生する理由についてご存じでしょうか。

相続税申告でヒアリングをして通帳を確認していると時折、相続人のかたから家から多額の現金が見つかった、ということをご報告いただくことがあります。

高齢の方がご自宅に現金を多額に保管する理由としては大きく2つあるそうです。

ひとつ目は銀行のペイオフ対策で1,000万円以上は預け入れをしない、ということを考えているケース。

最近はあまり聞かなくなりましたが高齢の方には銀行が破綻する、預金が引き出せない、取り付け騒ぎが起きた、ということは以前かなりショッキングだったようです。

絶対にないとは言い切れませんので、その時の経験や感情をもとに銀行に預けるなら自宅に現金を置いておいた方が安全、と考える高齢の方はいまもいらっしゃいます。

そのままお亡くなりになるとご自宅に多額の現金が保管されていた、ということになります。

相続人の方も気が付けばよいですがそうではない場合もあるでしょう。

万が一出てこない可能性、空き巣や泥棒に入られる可能性を考えると金融機関に預け入れしておく方が安全だとは思いますが。

ふたつ目は自然に溜まっていったケースです。

これは例えば足が悪い高齢のかたですと月に一回30万円を生活費として銀行でまとめて引き出しておいて、それが余ったものが積みあがっていって多額になってしまった、という流れです。

高齢になって移動がおっくうになるとどうしてもまとめて銀行で引き出したりします。

それが余ってしまっても次もまた30万円引き出して、ということになると、余った分が仮に10万円としたらそれが一年だと100万円を超えてきます。

何年もその状態だと最終的にご自宅の仏壇やタンスに500万円残っていた、みたいなこともあり得るわけです。

こういったものも相続財産に該当しますのできちんと確認をする、また家の中を整理していただいて探しておいてもらう、ということも必要です。

まとめ

亡くなった方の現預金の管理を誰がしていたかヒアリングをを通じて財産の計上漏れを防ぐことを解説しました。

ご本人であってもご本人でなくても、誰かが管理していたはずです。

ヒアリングをしていくことが財産の計上漏れがない丁寧な相続税申告に近づく第一歩です。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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