フリーランスのかたは確定申告の際に健康保険料を社会保険料控除として所得から控除するしているはずです。
健康保険料もいくつかありますので整理してみます。
健康保険の種類
一般的にフリーランスのかたは個人事業主ですので会社組織ではないため、自治体の国民健康保険に加入することになります。
この国民健康保険料ですが自治体ごとに少し違っている部分もありますが、所得金額をベースに計算されることは同じです。
確定申告書が手元にある方は、左側の合計所得金額の欄をみてみましょう。
ここの金額がベースになって国民健康保険の保険料算定がなされます。
ちなみに、36歳で世帯が自分一人、所得金額が500万円だとすると令和3年分の試算とはなりますが
京都市:530,540円
大阪市:579,414円
という計算シミュレーション結果です。(各市区町村のホームページ記載のExcel計算シートで計算)
国民健康保険に加入する世帯の人数が多ければその分増えますし、40歳以上の場合には介護保険料部分の負担が加算されます。(40歳未満の場合には医療分+後期高齢者支援分)
令和4年分の国民健康保険料は各市区町村のホームページで確認をしていただくことになりますが、いまのところはまだ計算シミュレーションなどはリリースされていない市区町村が多いようです。
給与所得のときにいわゆる協会けんぽに加入していて任意継続制度を利用した場合には最大で2年間は任意継続による健康保険料の負担となります。
自分の所得金額、世帯人数により国民健康保険と任意継続の健康保険で有利不利がでてくることがありますので、自治体の窓口などで早めに相談をしておきましょう。
組合等の健康保険に加入できないか?
個人事業主は国民健康保険もしくは任意継続の協会けんぽが基本となりますが、もうひとつ加入できないか検討したい制度があります。
それは国民健康保険組合での加入ができないか?ということです。
例えば全国的なものですと文芸美術国民健康保険組合という組合があります。
一定の要件を満たすとそちらの健康保険組合に加入ができます。健康保険料は組合員の収入の多い少ないにかかわらず一定です。(40歳未満の場合には組合員一人当たり月額21,100円となっています)
前述のシミュレーションと比べるとどうでしょうか?半分ぐらいに抑えられるので、もし可能であれば加入を検討するのもよいでしょう。
関西ですと大阪文化芸能国民健康保険組合という組織もあります。
このように各種業界団体で健康保険組合を設立しその業界の仕事に携わるフリーランス、個人事業主向けに健康保険が加入できるようになっています。
もしご自身の仕事で業界団体などがある場合には一度調べてみるのがよいです。
法人成りしたらどうなる?
健康保険料が高いので法人成りを検討したいというご相談も今の時期はよくあります。
所得が高い場合には税率の差(所得税、住民税、法人税等)で有利不利がある場合もあります。
以前は消費税の免税期間が法人成りをするといわゆるリセットされる状態でしたがそれもインボイス制度が始まるとあまり効果がなくなりそうです。
法人成りをして自分に役員報酬を会社から支給する場合には協会けんぽと厚生年金には強制適用加入となります。
では法人成りしたほうが良いかというと必ずしもそうではなく、社会保険料は法人と役員報酬等を受け取る人で労使折半となっています。半分ずつ負担するということです。
仮に健康保険料と厚生年金保険料が役員報酬から50,000円、合わせて引かれている場合には会社側はその預かった社会保険料に会社が負担する分でざっくりと50,000円を上乗せして払うことになります。
会社負担と自分が負担する分とで合わせて計算し判断する必要がありますので、役員報酬をいくらにするかという部分はとても大事になってきます。
何も考えずに法人成りをすると思っているより役員報酬が支給できないとか、手取りが少ないとなっては生活に支障がでかねませんので法人成りの検討はより慎重に行う必要があります。
まとめ
お勤めの方ですとこの辺りはあまり意識することがないですが(給料から天引きのため)、独立をする、起業をすると自分で支払う手続きにより意識することが多くなります。
ご自身の業種、属する業界によっては加入ができるものがあるかもしれませんので、今日ご紹介した組合など選択肢として検討してみましょう。