確定申告サポートがこの時期は続いていますが一定程度見られるのが開始残高の未設定です。
開始残高とは
開始残高とはその名の通り一番最初の残高です。
例えば去年の6月から事業を始めたとしましょう。事業用の口座をイチから作るのではなくて、いまある口座を事業用として使う、という場合。
この場合にはすでにある口座が手元にあるわけですので例えば6月1日の時点で残高があるはずです。新たに口座を作った際でも最初に1,000円とか入金すると思います。
6月1日の時点の残高が500,000万円とすると、これが開始残高です。
開始残高はスタートの時の残高ですのでここを設定しておかないと最後の年末までずっとズレたままになってしまいます。
最初のスタートを間違ってしまっている状態と言えます。
確定申告サポートでお客様が付けた帳簿を拝見しているとこの開始残高が設定されていないことでズレが生じていることがよくあります。
開始残高の仕訳、登録
開始残高の金額で上記の例のように事業用の資金として500,000円を用意してスタートしたとします。
この場合の仕訳は
普通預金/元入金 500,000円
となります。
法人でいうところの資本金なわけです。個人ではこの資本金に当たる部分を元入金と表現しています。
このような仕訳形式で入力が必要な会計ソフトもあれば、クラウド会計ソフトの場合には入力箇所が指定されていて仕訳ではなく開始残高を直接入力することもできます。
この場合の注意点としては借方(左側)の合計額と貸方(右側)の合計額が同じ金額になっているということです。
ここの左右の金額にズレがあるとどこかが間違っていることになります。(ソフトによっては警告がでて登録できないケースもあります)
残高を合わせるのは難しい
残高を合わせることについては以前にYouTube動画でもお伝えしています。
難しさを解消しようと思うと一番良いのはタイムリーに把握していってズレたときにすぐに見つけることです。
時間が経過すればするほどさかのぼっていかないといけなくてこれが結構大変で時間を要します。
タイムリーに把握するためには毎月の月次決算で残高をちゃんと確認する、毎日または毎週など決めて定期的に残高をチェックする。
データ連携をしている場合でも連携したデータを登録ミスで無視したりするとズレますので、チェックは必要です。
ズレがあると自然に解消することは基本的にあり得ませんので、自分でどこがズレているかを見ていく必要があります。
クラウド会計ソフトのfreeeであれば口座一覧からタイムラインをチェックするとどのタイミングでいくらズレたかわかります。
またマネーフォワードでも取引管理の残高照会からチェックできます。
こういった機能が用意されているのは残高を合わせるのが大事だけれども合わせるのが難しいからでもあります。
残高のズレがないように日々のチェックから細かく見てみましょう。
まとめ
残高を合わせることがいかに難しいかというのは去年から今年にかけて担当した記帳指導でも感じたことです。
確定申告のサポートをしていくうえでこうやって直します、ということは積極的にお伝えしていてチェックの方法も合わせて確認しています。