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相続税を計算するための財産評価とは?

評価の要素を ひとつずつ確認する

相続税申告書を作成するにあたって税理士側で行っていることのご質問をいただく機会があります。

財産評価という相続税を計算する際のいわば価格計算をすることも税理士側で行うことのひとつです。

相続税を計算するためのルール、財産評価についてお伝えしてみます。

 

目次

相続税を計算するときのルール

相続税を計算するときには亡くなった時点のプラスの財産の総額から、マイナスの財産(債務や葬式費用)を差し引いて計算をしていきます。

 

そこから基礎控除(法定相続人の数に応じて計算をした金額)を差し引き、その課税金額をもとに税額を計算する流れです。

 

プラスの財産は亡くなった時点でその方が所有している財産を指しますが、財産を引き継ぐ方が好き勝手に計算をすると税金を公平に計算することができません。

 

よって、相続税を計算するにあたっての財産の価格、相続税評価額を計算することが必要で、そのためのルールがあります。

 

財産評価基本通達というのがそのもっとも基本的なルールです。

法人や個人で利益を計算するさいには会計のルールがありますが、それと似たようなイメージです。

 

また相続税が課税される財産の範囲が民法と相続税法で微妙に違います。

その中身を修正したものが「みなし相続財産」とよばれるもので死亡保険金などが代表的な財産です。

 

このように相続税を計算するときには財産評価のルール(財産評価基本通達)と相続税そのものを計算するルール(相続税法)、また家族のルール(民法相続編)が大きくかかわってきます。

 

相続税を計算するときにはいろんなルールがあるんだなということを少し意識してもらうとより分かりやすいです。

 

例えば法定相続分という考え方が民法にはあります。

Aさんが亡くなったときに配偶者がいて子どもが3人だった場合には、配偶者が1/2、子どもが1/2×1/3=1/6ずつ、の法定相続分となります。

 

法定相続分の法定というのは民法で定めるという意味合いがあります。

じゃあこの通りに分けないといけないのかというとそうではなく、Aさんが遺言を残している場合には遺言が優先しますし、相続人のかた全員で合意がなされれば財産の分け方は自由です。

 

評価というのはどういうものか

評価というと堅苦しく感じるかもしれませんが計算をすると考えていただいて問題はないです。

 

では具体的に評価というのはどういうことをするかをざっくりとお伝えしてみます。

 

Aさんが土地を持っていた場合を考えてみましょう。

土地とひとことで言ってもまずいろんな形状があります。少しいびつだったり、また道路にどれぐらい面しているかとか。

 

土地のうち1方向だけなのか周囲が全部道路なのかとかいろいろです。

また他人に貸している場合には貸し借りしていることを考慮する必要もあります。借地や借家をしている場合には借りている人の権利も考慮しようということです。

 

その土地がどういう場所や地域にあって、またどのような使われ方をしているか、こういったことも考慮していく必要があります。

 

土地が一つあるからと言って面積と路線価を乗じただけで完結するほど簡単ではないことも多いのです。

 

ひとつずつどんな土地かという評価に必要な要素を考慮していくことが求められます。

 

ほかにも家屋であれば他人に貸している場合には借家権というものを考慮します。

 

不動産だけではなく金融資産も財産評価の対象です。

上場株式であれば亡くなった日の株価をベースにほかの価格(その月、前月、前々月の最終価格の平均)をもとに評価します。

 

中小企業の株式は市場がないことを前提にこれも財産評価基本通達のルールをもとに計算をします。

 

亡くなった時点の価格計算=評価をしていくことで、亡くなった人の財産の価額を適切に公平に計算をすることを目指すわけです。

 

それぞれが好き勝手に計算をすると税金の金額を大きく減らそうと考える人がでてきます。

 

ルールがない財産も中にはあって仮装通貨などはまだ相続税の評価額をどうやって計算するかという確定したものがありません。

 

頻繁ではありませんがこういった抜け穴をふさぐためであったり、またその時の経済状況や背景に合わせてルールが変わることもあります。

 

ここで一つ注意点としてはこのように相続税を計算する際の評価=価格計算で得られた価格はあくまで相続税評価額といって相続税を計算することを目的とした価格です。

 

簡単にいうとここで計算した土地の価額でそのまま市場で売買できるというわけではない、ということです。

 

まとめ

相続税を計算する際にはいろんなルールに基づいて計算をしますが財産評価も同じくルールがあります。

このルールは適切に評価額を計算するためのルールでもあるのですが、適切に計算をすると評価額が下がる方向になるものもあります。

見落としがないように適用できるルールがないかを一つずつ確認しながら計算をしていきます。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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