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おカネと売上の関係 入金がなくても売上になる、入金があっても売上じゃない

入金の有無で考えない

こんにちは、京都の若ハゲ税理士ジンノです。

確定申告の際によくお話させてもらうのが、入金はないけれど売上になりそうなものはないかということと、入金があっても売上じゃないものがないか、ということです。

 

おカネが入ってこなくても売上として計上するものがありますし、反対に入金があってもまだ売上としないものもあります。

 

目次

販売のタイミングとは

入金があったタイミングで売上にしたくなる気持ち、とてもよくわかります。モノを売る事業の場合にはそれでよいでしょう。

 

例えば自分がカフェをしているとして、その場でコーヒーを提供しおカネをいただければ、その時点で売上を計上することになります。

 

それが仮に現金で受け取ったとすると

(現金)/(売上)350 という仕訳入力になります。

 

コーヒーを売って渡した場合にはコーヒーが販売されているその時点で売上を計上することになりますが、この販売が完了したのを「いつ」とみるかは基準が複数あります。

 

[box03 title=”販売完了の基準”]

出荷基準:モノが出荷されたタイミング

引渡基準:モノが買主さんのところに到着したタイミング

検収基準:モノが買主さんのところに届いて中身等の検品が完了したタイミング

[/box03]

 

コーヒーを手渡した場合にはその手渡したのが出荷した時点と引き渡した時点でほぼ同時ですので気にしなくてもよいですが、例えばコーヒー豆をオンラインショップで販売する場合はどうでしょうか?

 

ECサイトで注文が入り、コーヒー豆を出荷したタイミングなのか、お客さんに届いたタイミングなのか。どのタイミングで販売したとみるかは自由に決められますが、コロコロ変えることはできません。

 

Aというお客さんは出荷のタイミングで、Bというお客さんは引渡しのタイミングで、というのは統一されていないのでNGです。

 

いずれかの基準を継続して適用する必要があります。これはバラバラの基準をその都度採用したりすると、売上を意図的に翌期にしたり、ということが可能になってしまうからです。

よって統一した基準を採用しておく必要があります。

 

モノが動くときは分かりやすいですがではサービス業の場合はどうでしょうか。また目に見えないものを提供する場合はどうでしょう?

 

マッサージ店を営んでいるとしてマッサージのサービスが完了するのはマッサージが終了した時点です。

 

サービスの場合には役務という表現をするのですが、この役務提供が完了したタイミングに売上を計上することになります。

どのタイミングで売上を計上するか、ご自分のビジネスに当てはめて考えてみましょう。

 

売上は入金があったタイミングではない

サービス業を営んでいるとして例えば12/31にサービスの提供が完了している場合を想像してみましょう。

 

マッサージ店を営む私は年末にお客さんに今年最後のマッサージというサービスを提供しました。

 

お客さんから「ごめん、年末でいま手持ちのおカネがないから年明け最初の予約に一緒に払うでもイイ?」と聞かれたとします。

 

私のマッサージ店ではクレジットカード決済もキャッシュレス決済も導入しておらず、またお客さんも常連さんで身元もハッキリわかるので「全然問題ないですよ!」と快諾しました。

 

お客さんは約束通り1/5の初回予約時に12/31の分も一緒に支払ってくれました。めでだしめでたし、です。

 

ではこの場合、マッサージ店を営む私はいつの時点でこのお客さんの12/31のマッサージ代金の売上を計上すべきでしょうか?

 

マッサージという役務は12/31の時点で完了しているわけなので、年末の時点で売上を計上しておく必要がありますね?

 

12/31(売掛金)/(売上)5,000円 という仕訳の内容になります。

 

お客さんから代金をいただいたときには

1/5 (現金)/(売掛金)5,000円 という仕訳となります。

※売掛金(うりかけきん)というのはようするに「ツケ」のことです。

 

この12/31の売上を入金があった1/5のタイミングで計上してしまうと、前年の売上が翌年に計上されてしまうことになり、結果として計算を間違っている状態といえます。

反対に、1/5のマッサージ代金を12/31の時点で預かっていたとしたらどうでしょうか?

 

お客さんから「年末の競馬で景気が良かったから来年の初回分も今日置いて帰るよ」と言われたと考えてみましょう。

 

1/5分の代金を事前にあずかっている状態で、1/5に予定しているマッサージはまだ役務提供が完了していません。

 

これを入金があったタイミングで売上だ、と考えてしまうと1/5分の売上を12/31で計上してしまうことになり同じく計算に間違いが生じます。

 

正しくは

12/31 (現金)/(前受金)5,000 という内容になり

1/5 (前受金)/(売上)5,000 とすることになります。

 

つまりおカネを受け取ったからといって売上にならないし、おカネを受け取っていないからといって売上にならない、という訳ではないということです。

 

特にインターネット関連の事業を営んでいる方はこのあたりがかなりあいまいに考えておられることが多いです。

 

例えば、アフィリエイトサイトを運営している方で、Googleアドセンスの収益(広告収入)をいつの時点で計上すべきかわかりますでしょうか?

アフィリエイト関連の売上は、8月の売上が9月の初旬に確定し、9月の中下旬に入金という流れが多いですが、この金額が確定した時点で8月分の売上を8月末時点で計上、というのが正しい流れとなります。

 

まとめ

売上を計上するタイミングが分からなくなったら販売が完了しているか、サービス提供がおわっているかをまず確認しましょう。

 

おカネを受け取っているかいないか、で判断すると間違いのもとになります。

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この記事を書いた人

京都市下京区で税理士をやっています、ジンノユーイチ(神野裕一)です。
相続や事業のお困りごとを丁寧に伺い、解決するサポートをしています。
フットワーク軽く、誠実に明るく元気に対応いたします。

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