京都の税理士ジンノです。
相続対策を始めるタイミングについてよくご相談をいただくのですが、「相続対策はお元気なうちに」ということを必ずお伝えします。
元気なうちに考え始めることは難しいかもしれませんが、元気じゃなくなった時に考えるほうが精神的に大変です。
理由を含めて解説します。
元気なうちに考え始めたほうがいいワケ
その対策を始めるタイミングをご相談いただくことが意外と多いです。思い立った時にやり始めるのが一番良いのですが、いつ頃から始めれば良いかという目安は知りたいですよね。
私の経験上ご相談いただくタイミングは以下のようなものが多いです。
- お仕事を辞めたタイミング
- 家族構成が変わったタイミング
- お体の具合が悪くなったタイミング
それぞれ少し解説してみると
お仕事を辞めたタイミング
お勤めの方ですと仕事を辞められるタイミングとしては定年退職してその継続雇用があった場合、嘱託や契約社員として仕事をしておられると七十歳前後ということが多いです。
七十歳ですとお仕事をリタイヤされてある程度資産を形成していることが多く、年金をもらい始める時期になるかなと。 原則年金の受給時期は65歳からですが最大5年繰り下げて七十歳から受給することができます。
日々お仕事をしておられた方だと定期的に職場に行って仕事をするという生活がなくなるわけですから、いろんなことを考え始めるタイミングです。
趣味に打ち込む時間ももちろんいいでしょうしご家族と旅行に行かれる方もいらっしゃるかなと。その考える時間が増えることによってご自身の相続を考え始める方が多いようです。
家族構成が変わったタイミング
家族構成、つまり誰が亡くなったり、また誰かが生まれたりすることで家族の構成が変わります。
こればかりは予測がつかないものでもあるのですが、家族構成はご家族との関係性をご自身のこととして見直す機会になるようです。
お子さんや配偶者が亡くなるという悲しいこともありますが、お孫さんが生まれてお孫さんのために何かできることをしたいという方はいらっしゃいます。
もし遺言を書いていたりするとお孫さんにあげたいと思った場合には書き直す必要があります。各種贈与の制度もありますので、ご希望に合わせて検討します。
お体の具合が悪くなったタイミング
一番多いのがこのお体の具合が悪くなった大変かもしれません。ご自身の体調というのは考え方にも影響を及ぼします。
予期せぬ体の不調で病院に通ったり入院をしたりまた手術を伴う治療することもあるでしょう。やはりそのような場合にはご自身の財産をどうしようかということが頭をよぎります。
いろんな相談のタイミングがあるのですが、一番良いのは体が元気なうちにとお伝えしています。
それはなぜかと言うと肉体的にも精神的にも考える余裕がある時に大事なことを考えた方が良いからです。
もし元気じゃなくなったら自分の体や心に集中したほうがよい
例えば辛い治療で体の調子が良くない場合にご自身の財産を誰にどう分けるかといういろんなことを考えないと決められないことを、考えること自体がかなり負担になります。
急を要する場合はもちろん考える必要があるのですが、お元気なうちに考えておいて対策をしておくことでじっくりと治療に向き合うことができます。
相続対策という意味では例えば認知症の兆候があってご自身の身の回りのことができなくなりつつある時には、実行できる相続対策が制限されていきます。
遺言を残すということについてもそうですし、贈与についても実行できる場合とできない場合があります。
大事なことだからこそ元気なうちに、余力のあるうちに考えておくことは大切です。
急に具合が悪くなることはもちろんと思うのですが、どうしようかなと思った時に相続対策を考え始めるのが良いでしょう。
大事なことは余力がある時に決める方がご自身も納得しやすいです。
まとめ
相続対策を始めるタイミングは皆さん人それぞれです。ただ、認知症になってしまうとできる対策が限られますし、お身体の具合が悪いときにはご自身の財産について考える余裕はなくなります。
思い立った時が対策を考え始めるタイミングだと捉えてみてはいかがでしょうか。